
以前、こんな相談を受けたことがあります。
在宅の仕事を探す際、クラウドワークスやランサーズ、Indeedなどの募集媒体で検索する方は多いですよね。
たくさんの求人が掲載されている反面、中には「これ大丈夫?」という怪しい募集も…。
特に在宅ワークを初めて探す方は、判別がつきにくいのではないでしょうか。
この記事では、在宅ワークを探した経験・募集した経験両方ある採用担当者の目線から、「怪しい募集の見分け方」のポイントをまとめています。
残念ながら以下のような悪質な募集もあるため、在宅ワーク初心者の方は参考にしていただければ幸いです。
- マルチ商法への勧誘
- 詐欺グループ(個人情報や報酬の抜き取り等を目的)
- ブラック企業・ブラッククライアント
募集タイトルや文中にこんな記載のある求人は要注意!
- 「簡単に稼げます」
- 「スマホのみで稼げます」
- 「◯◯だけで高収入をゲット!」
「簡単に稼げる」「スマホだけあればOK」…
そんな記述がある求人は要注意です。
そもそも、簡単に稼ぐ方法なんてありません。
甘い言葉で人を引きつけておいて、応募した人の個人情報を抜き取ったり、ただ働きさせたり……というクライアントも、中にはいます。
「スマホだけで稼げる」というのも注意が必要です。
たとえば、アンケート回答や覆面調査などのちょっとした「作業系」の仕事であれば、「スマホだけでもできる」というものも存在はします。
ただ、そのような簡単な作業の仕事以外はセキュリティや効率の面からもパソコンは必要です。
「甘い話には裏がある」というのは、求人を探す際も同じですね!
募集条件や募集内容から見る要注意求人とは?
- 報酬が高すぎる
- 報酬が低すぎる
- 募集文面が短い
つぎに、募集要項や内容から注意したほうが良いことを記載します。
報酬が高すぎる場合
報酬が高すぎる場合は、前項でお話した「簡単に稼げる!」という募集と同じように詐欺求人である可能性があります。
- 「高額報酬」
- 「がんばった分たくさん稼げます」
…などと記載されている求人は、じっくり仕事内容を検討してみたり、応募したとしてもすぐに情報を渡したりしないようにしてください。
ただ、特別な技術が必要になるケースなどは高額でも妥当かもしれないため、一口に「報酬が高い=危険」ではありません。
また、営業やテレマーケティングの仕事で「高収入も可能!」と記載されている場合、成果報酬であることも多いです。
その場合は「がんばった分稼げる」は正解かもしれませんが、「成約がたくさん取れたら」という条件が設定されていることもあります。
報酬が低すぎる場合
反対に報酬が低い場合、あまり良い企業・クライアントとは言えないことが多いです。
報酬設定の一例をご紹介します。
こんな報酬設定は要注意!
- ライターの仕事の場合
- 文字単価1円以下
- テストライティングに報酬が発生しない
- 事務やカスタマーサポートなど時間給の仕事の場合
- 時給800円以下
- 研修期間の時間給設定も要確認
ライターの仕事の場合
ライターの場合、文字単価1円以下の仕事は多いですが、手数料や労力を加味すると1円以下のライティングはちょっとキツいです。
クラウドソーシングサイトを利用している場合は「文字単価」から手数料を引かれてしまいますからね…。
また、テストで記事を執筆したときに報酬が発生しないクライアントは要注意。
テストライティングにも報酬を支払うのが通常です。
時間給の仕事と在宅ワークの最低賃金
事務やカスタマーサポートなど時間給の仕事の場合、一般的に時給800円以下は低めの設定です。
在宅ワークに最低賃金を適用する義務はないのですが、厚生労働省の「在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン」では、在宅ワーカーの賃金を決定する際は「最低賃金を参考にする」よう記載されています。
基本的に、在宅勤務を導入している企業では、所属値の地域の最低賃金を適用することが多いです。
たとえば東京都に本社がある企業の場合、最低賃金が1013円のため(2019年10月現在)、それ以上に設定されていることが望ましいです。
ただ、残念ながらこう考えている企業も多いです。
「家で働いているのだから安めの設定で良いだろう(ちゃんと働いているかわからないし)」
ちなみに私が在宅ワークをし始めたころは、経験を積みたくて時給500円の事務を引き受けていました。
ですが、「こんなにがんばっているのに2時間働いてやっと1000円か…」と考えると虚しく、結局そのクライアントとは取り引きを中止しました。
報酬が大事か、経験を積むことが大事か
報酬が低い仕事は、応募が少ない=採用がされやすいです。
在宅ワークやその仕事の経験が浅い場合は、「経験を積むため」と割り切って報酬が低い仕事に応募するのもキャリアの一貫ではあります。
ただ、言い方は悪いですが、そのような「報酬が低くても仕事をせざるを得ない人」をうまく利用して経費を削減しようとしている可能性はあります。
要するに、そうした企業やクライアントはケチなので、今後も報酬増は期待できそうにありません。
応募段階で報酬アップの可能性はあるのか聞くのも良いのですが、だいたいは「成果や期間によって上がる可能性はあります」と回答がくるでしょう…。
3. 募集文面が少ない
募集文面がアッサリした求人、ありますよね。
業務内容、期間、報酬、など必要なことがしっかり書かれていないケース。
私自身、採用の仕事をしているのでよくわかるのですが、通常はしっかりと募集文面を考えます。
というのも、たくさん応募してほしいし、応募者の人にわかりやすい内容にしたいから。
そこを怠っているということは、本当に人を採用したいのか、大事にしたいのか、わかりません。
募集文面が薄い求人は、「詐欺求人」とまではいきませんが、「優良求人」とは言いにくいです。
応募段階で直接連絡先を聞かれた場合
- LINEのアカウントを聞かれる
クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサービスの場合、契約前の段階で外部の連絡先を聞くことは禁止されていることが多いです。
とはいえ、運営で取り締まるにも限界があり、クライアントから連絡先を聞かれることもしばしばあります。
採用選考の段階でメールアドレスが必要になる、等の事情からです。
特に注意したいのは、「LINEのアカウントを聞かれる」場合。
マルチ商法への勧誘に繋がるケースがあります。
私が在宅ワークを探し始めたころ、応募したあとすぐにLINEアカウントを聞かれたことがありました。
最初は迷いましたが、「人を採用する仕事」という私がやりたい業務内容だったので、思い切って教えてしまいました。
結果、「説明会」と称したセミナーに案内されたのですが、それが見事マルチ商法でした…。
企業側は「マルチ商法でない」と説明していましたが、サービスを勧誘・加入することで報酬を得られるというのは、明らかにマルチ商法。
私はすぐにその企業との連絡を絶ち、クラウドソーシングサービスへ通報もしました。
どうもこの手口は多いようです。
現在は当時より取り締まりが厳しくなってはいますが、依然としてマルチ商法は存在はするため、LINEアカウントを聞かれた際は充分にご注意ください。
募集をたくさん見かける企業(クライアント)はブラックか?

…ということ、ありませんか?
求人が多い=退職者が多い=ブラック?
と考えられてしまいがちですが、そんなことはありません!
私は在宅勤務で人事・採用の仕事をしているためよくわかるのですが、在宅ワークというのは残念ながら退職・契約解除する方が多いのです…。
顔が見えない=気軽に辞められる
という意識は、正直なところあります。
なので、求人を何度も見かける企業・クライアントは悪いかというと、一概にそうは言えません。
まとめ
以上、応募前・応募段階で注意が必要な募集をご紹介しました。
注意すべき求人・クライアントをまとめると、こちらです。
- 「簡単に稼げます」「スマホのみで稼げます」といった文言が書かれている
- 報酬が高すぎる・低すぎる
- 募集文面が短い
- (クラウドソーシングサイトの場合)応募途中で直接連絡先を聞かれる
- LINEのアカウントを聞かれる
たくさんご紹介しましたが、こちらの個人情報を渡さなければ弊害はないため、気になる求人があった際は気軽に応募してみてください。
話を詳しく聞いて合わないと感じたようであれば次を探せば良いですし、話を聞いてみて募集内容より良さそうと感じることも多いです。
仕事は結婚と同じで「縁」が非常に大事なので、何か感じるものがあったら縁を逃さないためにも募集主にコンタクトを取ってみてくださいね。