以前、こんな声を聞きました。
その方はお子さんが病気がちで外で働けないということ。
「在宅で働いてみたらどうですか?」とお話したところ、「在宅ワークって孤独そうだから…」というお返事でした。
その方以外にも、「家で働くのってコミュニケーションがなさそうでイヤ」という意見もたまに耳にします。
たしかに、会話が飛び交うオフィス勤務とは異なり、在宅勤務は基本的に自分ひとりでの作業になります。
逆に人間関係の煩わしい部分に悩んでいる方にはピッタリでもあるのですが、仕事によっては「1日中誰とも話さない」という状況もあり、その点に寂しさを感じている方もいらっしゃるようです。
私自身、持病があり2016年から在宅ワークをしていますが、「孤独だ」と感じたことは一度もありません。
というのも、チャットやビデオ通話でメンバーとコミュニケーションを取っているから。
今では在宅ワーク友だちが増え、楽しく仕事ができています。
私は人事の仕事をしていることもあり、在宅ワーカーさんと出会うことが多いですが、「在宅勤務は孤独で辛い」という方はあまりいらっしゃいません。
この記事では、在宅ワーカーとしての経験や周囲の実例を交え、「在宅ワークって本当に孤独なの?」ということを書いています。
- 在宅ワークに興味はあるけど、「寂しそう」「孤独そう」というイメージで敬遠している方
- 現在家で働いていて孤独感を感じている方
在宅ワークは寂しい?孤独?
オフィス勤務に比べると、在宅勤務はコミュニケーションが少ない、と言わざるを得ません。
オフィスにいれば隣の人にすぐ話しかけられる反面、在宅ワークではチャットや通話を通じて会話する必要があるため、話したいときにすぐ話ができるとはかぎりません。
とはいえ、
在宅ワーク=孤独・黙々と作業している
というイメージで固めてしまうのは早計です。
- 仕事内容や会社の環境の選び方
や、
- 自分の工夫
しだいで、孤独感を感じずに仕事を行なうことができますよ!
孤独感を感じにくい在宅ワークの選び方
まず、そもそも孤独感を感じにくい仕事と職場の選び方をご紹介します。
1. 仕事の選び方
在宅勤務は、主に2種類分けられます。
- 雇用型:企業やクライアントと雇用関係がある(正社員、契約社員、パート・アルバイト)
- 自営型:企業やクライアントと雇用関係がない(業務委託、SOHO、フリーランスなど)
「孤独」「黙々と作業する」という状況が比較的多いのは、後者の自営型です。
正社員やパートなどの「雇用型」は企業と雇用関係があるため、ミーティング(ビデオ通話)やチャットなどでメンバー同士のコミュニケーションを取ることが多いです。
一方で後者の「自営型」は、企業やクライアントから仕事の依頼があり、その業務をひとりで淡々とこなすような内容も多いため、コミュニケーションは最低限であることも。
とはいえ、「自営型」でも交流の多い仕事はありますし、「雇用型」でも黙々と作業することもあります。
「企業と雇用関係があるか(企業に属しているか)」というよりも、「職種」によって、人とのやり取りの量に差があります。
コミュニケーションが少ない仕事
コミュニケーションが少なめ・作業が多めの仕事の具体例はこちら。
- アプリ・システム開発
- ホームページ制作
- デザイン関係
- ライティング(記事作成)
- 動画作成
- 音楽制作
- 翻訳
など。
プログラミングやデザインなど技術的な仕事はどうしても一人での「作業」が多くなります。
このような仕事は、クライアントのホームページを作る、記事を書く、など、依頼をこなせば仕事が完了します。
チャットでの報告・連絡・相談や打ち合わせは初回のみ、など、やり取りが必要最低限の場合もあります。
とはいえ、クライアントや企業によっては、ライターやプログラマーでもこまめに打ち合わせが必要になることがあったり、チームで仕事をするような場合はコミュニケーションも多くなったりします。
反対に、「コミュニケーションが苦手なので多くないほうが良い」という方には合いやすい仕事です。
コミュニケーションが多い仕事
一方で、他者とのコミュニケーションが発生しやすい仕事はこちら。
- 事務(一般事務、営業事務、経理、法務など)
- 秘書
- 人事・採用
- カスタマーサポート
- 営業
- マーケティング
事務や秘書、マーケティング、人事などは、チームで仕事をすることが多い仕事です。
また、営業やカスタマーサポートは、人(=顧客)とのやり取りが仕事になるため、コミュニケーションはかなり多いです。
私は以前、在宅で電話営業の仕事を行なっていました。
2~3時間ずっと飲食店のシェフと電話をしているので、孤独感はなかったです(^^)
チャットでも仲間とリアルタイムに声をかけあっていました。
「営業」というとハードルが高いイメージがあるかもしれませんが、以下の条件がそろえばやりがいを感じることも多い仕事です。
- クライアント・企業のサポート体制がしっかりしている
- 商品が魅力的
- インセンティブ(成果報酬)が入る
- (対個人よりも、対法人のほうがクレームは少ない)
「在宅で孤独な仕事が嫌だ」という場合は、事務や営業などの仕事を選んでみてはいかがでしょうか。
とはいえ、企業やクライアントによっては、上記の仕事でもコミュニケーションが少ない場合があります。
たとえば秘書の仕事であっても、クライアントが「これやっておいて」と仕事を投げるだけということも。
そういう状況が気になる場合は、クライアンを変えることも検討したほうが良いかもしれません。
2. 職場の選び方
職場によっては、在宅勤務の社員で積極的にコミュニケーションを取るようにしている企業もあります。
たとえば、こんな内容。
- スカイプなどのビデオ通話を常時繋げたままにしている
- オンライン飲み会など遠隔でのコミュニケーションを取るイベントを開催している
- 定期的にミーティングを開催している
- Slackなど自分の接続状況がわかるチャットツールを利用している
ビデオ通話を常時オンにしている
遠隔勤務で他者とコミュニケーションを取る方法は、主に以下の3種類です。
- メール
- チャット
- ビデオ通話・電話
メールはリアルタイムではありませんが、チャットと通話はリアルタイムでのやり取りが可能です。
なので、チャットと通話を頻繁に利用するような職場やクライアント下では、オフィスにいるような感覚で仕事ができます。
私の友だちは、常時スカイプ接続をしている会社で働いているのですが、「オフィスで仕事している感覚になる!」と言っていました。
ただ、逆に常時接続は「縛られている」と感じる人もいるため、ここは個人の考え方です。
在宅ワークの一番のウリは自由度、と感じる人も多いですからね。
打ち合わせやオンライン飲み会などを定期的に開催している
ビデオを常時オンにしているのは抵抗がある場合、定期的にミーティングや飲み会などを開催し、通話でコミュニケーションを取っている企業を探してみてはいかがでしょうか
また、在宅ワークでも一部出社可能な仕事を選ぶというのもひとつの方法です。
たとえば…。
- 月に1回出社
- オフィスへの出社は自由
このようにオフィス勤務も併用している企業もあるため、「たまにはオフィスに行きたい」という方にはピッタリです。
Slackを利用している
在宅勤務で必須のチャットツールにもコミュニケーションの取りやすさに違いがあります。
代表的なチャットツールは、チャットワークとSlack(スラック)ですが、Slackには社員がオンラインかどうか(=稼働しているかどうか)がひと目でわかる仕組みがあります。
Slackでは、自分が稼働中であれば「オンライン」にしておき、休憩中や仕事を終えたら「オフライン」にすることができます。
(通知類を一時的に一切オフにする「おやすみモード」も簡単に設定できるため、便利です)
このように相手がオンラインなのかオフラインなのかわかると、コミュニケーションが取りやすいです。
オンラインになっていれば、わからないことがあるとすぐに聞けますからね。
一方で、チャットワークには相手が稼働しているのかしていないのか、ひと目で簡単にわかる仕組みはありません。
Slackを利用している企業を選んだほうが、コミュニケーションは取りやすいと言えます。
(IT企業はSlackを利用していることが多いです)
私は両方利用していますが、この理由からもSlackのほうが使いやすいです。
在宅ワークの孤独感をなくすひと工夫
これまでは、コミュニケーションが多い仕事・職場を選ぶポイントをご紹介してきました。
でも、仕事や職場によってはどうしても一人で作業することが多くなってしまいます。
ただ、工夫すれば改善することはできます。
たとえば、こんな工夫です。
- 同じ仕事をしているメンバーに声をかけてみる
- SNS(Twitterやブログなど)で同じ仕事をしている仲間を見つける
- セミナーやサロンに参加してみる
- コミュニケーションの多い仕事を複業・兼業してみる
- コワーキングスペースを利用する
同じ仕事をしているメンバーに声をかけてみる
その仕事・業務に他のメンバーがいる場合、チャットなどで積極的に話しかけてみてはいかがでしょうか。
最初は、「わからないことがある」「アドバイスがほしい」「挨拶」など些細なきっかけでもかまいません。
私もこの方法で在宅ワーク仲間を見つけてきました(^^)
話してみると、みなさん各々の事情があって在宅勤務をしていて、とても興味深いです。
SNS(Twitterやブログなど)で同じ仕事をしている仲間を見つける
フリーランスの場合は、一人で作業を請け負う場合も多いかと思います。
そんなときは、同じ職種の人をSNSで探してみてはいかがでしょうか。
一番のオススメはTwitterです。
プログラマー、デザイナー、ライター、ブロガー……など、フリーで働いている人もたくさん登録しているので、積極的にフォローして話しかけてみましょう。
また、プロフィールやつぶやきに「仲間募集」と書いている人も多いので、検索して探してみるのもひとつの手です。
ただ、いきなり「友だちになりましょう!」と声をかけるのは失礼なのでご注意を(^^;)
セミナーなどに参加してみる
自治体や企業、団体など、「在宅勤務」「リモートワーク」「ノマドワーク」などのセミナーを開催していることがあります。
たとえば、クラウドソーシングサービスのランサーズはライターのイベントを開催していたり、アフィリエイトサイトのA8.netはブロガー・アフィリエイター向けのイベントを開催していたりします。
そのようなイベントに参加すると、向上心の高い仲間と出会いやすいです。
コミュニケーションの多い仕事を複業・兼業してみる
上述した、コミュニケーションの多い仕事を兼務してみるというのもオススメです。
たとえば、プログラマーとして働いている場合、プログラミングの講師をしてみるとか。
ライターとして働きつつ事務の仕事もしてみるとか。
ひとつの仕事に限らず副業できることが多いのも、在宅ワークのメリットです。
私も最大で3つの仕事をかけもちしていたことがあります。
なにもひとつの職業に従事する必要はないので、興味がある仕事を探してみてくださいね。
コワーキングスペースを利用する
コワーキングスペースというのは、英語で「CO-WORKING」と表記します。「コープ(COOP)」などと同じ由来の「CO」で、「共同」を意味します。
つまり、共同の働き場のこと。
カフェで仕事をしている人もいますが、周りからパソコンが見えたり、キーボードを打つ音が響いたりするのでふさわしくはありません。
一方で、コワーキングスペースならもともと働く場所として想定されているので、利用しやすいのが特徴です。
月額2万円程度でスペースが使い放題になることもあれば、ピンポイントで1日だけ借りたい場合は500円といった料金設定がされています。
「今日は外で働きたい気分」といったときは、利用してみてはいかがでしょうか。
参考に、コワーキングスペース「いいオフィス」の場合、以下の料金体系で利用できます。
- 当日利用
- 2時間:500円
- 6時間:800円
- プレミアム会員:2万円/月
- 全国の「いいオフィス」利用し放題
まとめ
以上、在宅ワークでも「黙々とこなす作業感」「孤独感」を感じにくくなるコツや仕事の選び方をご紹介しました。
仕事の選び方よりも、「自分で改善していくマインドがあるか」のほうが重要です。
もし「孤独感が辛い」のであれば、ぜひ工夫をしてみてくださいね。