現在、プログラマーやエンジニアの需要は非常に高いと言われています。
私はIT企業で人事の仕事をしており、プログラミング関係の教育・転職サービスで就業していた経験もあるのですが、多くの企業がプログラマーやエンジニアを求めていました。
また、昨今は小学生からのプログラミング学習が始まったり、定年後にプログラミングスクールに通ったりする人も増えてきています。
その代表的な理由がこちら。
- プログラミングはAIでできるようになる可能性が高い
- 外国人労働者に移管することが増える
- 「稼げる」「需要が高い」という理由でプログラマーやエンジニアを志す人が増えている
堀江 貴文さんと落合 陽一さんが著した「10年後の仕事図鑑」という本では、エンジニアは「いずれエクセル程度に誰でもできるようになる」と記載しています。
意見は賛否両論ありますが、私自身もプログラマーやエンジニアの需要は減ってくるだろうなと思っています。
そこで、今回の記事では私の人材関係の就業経験や、フリーランスの方に仕事を発注していた立場をもとに、
- プログラマーやエンジニアに将来性がないと言われる理由
- 生き残るためにはどうすれば良いか
をまとめました。
現在プログラマーとして活躍している人というよりは、これから目指したい人・興味がある人に向けて書いています。
- これからエンジニアを志そうとする人
- プログラミング学習に興味のある人
- フリーランスで稼ぎたいと思っている人
プログラマーとエンジニアの違い
プログラマーとエンジニアの需要について記載する前に、まずそれぞれの違いを簡単にまとめました。
企業によって割り振りが異なる場合もありますが、基本的には以下の相違があります。
- エンジニア(システムエンジニア/SE):システムの設計を行う
- プログラマー:設計を元に、プログラミング言語を用いてプログラミングを行う
※企業によっては、エンジニアがプログラミングを行うこともあります。
「何かのシステムを作る!」となった場合、「どのようなシステムにするのか」などを設計しなければなりません。
このシステム設計を行うのがエンジニア。
そして、設計に基づいてプログラミングを行うのがプログラマーです。
家を作るのと同じですね。
家を作るときも、大工さんが何もないところから建てていくのではなく、建築士が作成した設計図を元に作っていくものです。
設計をする建築士がエンジニア。
実際に作っていく大工がプログラマーに当てはめることができます。
この違いを押さえておいてください。
プログラマーやエンジニアの将来性がなくなる理由
では、プログラマーやエンジニアの将来性が低いと言われる理由はなぜなのでしょうか。
- プログラミングはAIが行うようになるため
- 外国人労働者に移管できるため
- 「稼げる」「需要が高い」という理由でプログラマーやエンジニアを志す人が増えているため
プログラマーはAIや外国人に取って代わられる?
昨今はAI(人工知能)が発達してきましたよね。
身近な例では、iPhoneの「Siri」やAndroidの「Googleアシスタント」、Amazonの「Alexa」をはじめ、スマートフォンや家電に取り入れられています。
今後はますますAIが発展し、不要になる仕事も増えると予想されています。
減少する仕事の代表例として挙げられるのが、プログラマーです。
というのも、PHPやJavaといったプログラミング言語は世界共有です。
なので、外国人であっても、機械であっても、覚えればプログラミングすることができるのです。
日本の人間である必要はありません。
一方で、前項の違いでお話したように、設計のできるエンジニアはプログラマーと比べると将来性は高いです。
「顧客の要望を聞き、それに見合ったシステムを設計する」という仕事は、相手が日本人の顧客なら日本語でコミュニケーションができなければ難しいものです。
とはいえ、コミュニケーションが不要だったり、単純な設計やシステム構築だったりするようであれば、外国人やAIでもできてしまいます。
詳細は後の項目でご紹介しています。
フリーランスでプログラマーを目指す人が増えてきている
私は2019年にプログラミングの教育サービスで働いていました。
受講生が増えていく一方、求人の増加は学習し始める人ほどではありません。
また、受講生の多くが「将来はフリーランスになりたい」と考えていました。
その理由は、
- 会社に行かずに(在宅やリモートで)働けるから
- 自分の好きな時間に作業できるから
- 稼げるから
といったものです。
実際に、クラウドワークスなどのクラウドソーシングサイトでプログラマーとして働く方は増えてきています。
特に、報酬や待遇の良い案件は応募が集中します。
これが今後フリーで働く方がますます増えていくことが予想されると、どうでしょう。
また、はじめからフリーを目指してプログラミングを学習している方も増えてきていますが、プログラマーとして企業で働いていた人が早期退職しフリーになるケースもあります。
企業の求人はまだしばらく需要が続きそうですが、上記の点を踏まえるとフリーで働きたいと考えている方は要注意です。
プラスアルファのスキルを身に着けて生き残る
これまで記載してきた通り、プログラマーやエンジニアの需要は高いのですが、AIや外国の方に取って代わられる可能性が高いことと、目指す人も増えてきていることが原因で、今後の将来性は危うい面が大きいです。
「他人や機械に取って代わられない」プログラマーやエンジニアになるためには、どうすれば良いでしょうか。
それは、「日本人」や「ヒト」にしかできないプラスアルファのスキルを身に着け、他者と差別化することです。
たとえばこんなスキル。
- マーケティングスキル
- 営業スキル
- マネジメントスキル
- コミュニケーションスキル
単純にシステム設計ができたりプログラミングできたりする人は多いですし、今後はAIに取って代わられる可能性もあります。
ですが、システムやアプリ、ゲーム開発をする際、市場を理解してシステム設計ができるエンジニアだったら、どうでしょうか。
これは外国の方やAIはマネできない技術です。
同様に、顧客のニーズをうまくヒアリングしたり提案できたりするスキルを身につけていると、クライアントの満足度が高い仕事ができます。
クライアントに「またこの人に依頼したい」と思わせられたら、継続して仕事を発注してもらえます。
企業で働く場合も、「この人と一緒に仕事をしていきたい」と思ってもらえたら、生き残れる可能性が高いです。
また、企業などチームで仕事をする場合はマネジメントスキルや経験はかなり強いアピールポイントになります。
現場のプログラミングやシステム設計を経験している方は多いですが、ディレクションまでできる人は多くありません。
とくに30代以降で転職したい場合は「マネジメント経験」が必須になっていることも。
このように、「外国人やAIにマネできないスキル」や「差別化できる経験・技術」を身に着けていれば、どんな時代になっても仕事を継続することができます。
特別な技術も経験もないけどプログラミングで食べていきたいという場合
マーケティングやマネジメントのスキルや経験は、そうそう簡単に身に着けられるものではありません。
「じゃあどうしたらいいの!?」というと、誰でも努力でカバーできる点が以下の2つです。
- コミュニケーション能力を高める
- 人脈を増やす
いろいろな技術職の方を見ていると、プログラマーやエンジニアの方はコミュニケーション能力に長けていない方も多いです。
残念ながらメールのやり取りが雑だったり、言葉遣いが粗野だったり……。
こういう方には「次はお願いしたくないね」とチームで結論づけたこともありました。
一方で、こんな方に仕事を継続して依頼していました。
- メールのやりとりが丁寧
- 文章や説明がわかりやすい
- 納期を確実に守ってもらえる
- レスポンスが早い
- 進捗状況の連絡をくれる
- プラスアルファのアドバイスをくれる
このような「細やかなやり取り」をしてくれる人は、仕事を依頼して安心感がありました。
企業で働く場合もコミュニケーション能力の高さは重要です。
面接ではこの点をしっかり見られています。
広く「コミュニケーションスキル」と言っても一朝一夕で身につけられるものではないので、日頃から仕事を丁寧にこなすように心がけたり、後述する本を読んだりして、実践していくことをオススメします。
人脈も大事
人付き合いが苦手で、フリーランスやリモートワークを選ばれる方もいらっしゃると思います。
「人脈作りが大事」と言ってもピンとこないかもしれません。
私も別段得意ではないのですが、「人との縁」の大切さは日々実感しています。
私が在宅ワークをしていて良い仕事を得られるときは、「やってみない?」と人から声をかけられることがほとんどでした。
セッセと名刺を配ったり、TwitterやDMなどで発信したりしてゴリゴリと人脈を作っていくのではなく、上記のように「丁寧に人と関わる」ことで「人の縁」が繋がれていくんです。
「どんな人と今後いつ繋がるかわからない」ので、「自分が嫌いと感じる」人以外とのやり取りは丁寧に行うことをオススメします。
とくにフリーランスを目指している方は人脈がものすごく重要です。
常に仕事ややり取りを真摯に行うことを心がけてみてください。
コミュニケーションスキルを高めるオススメの本
私は過去法人営業をしていたので、コミュニケーション関係の本はたくさん読みました。
その中でも「経験則」ではなく「調査や研究」に基づいて書かれているのが、メンタリストのDaiGoさんの本です。
文章もとっつきやすく、章ごとにまとめがあるためとてもわかりやすい作りになっています。
DaiGoさん自身、そのことを意識して本を書かれているからでしょうか。
オススメです。
まとめ
単にシステム設計やプログラミングができる技術者は、残念ながら将来性があるとは言えません。
これからプログラマーやエンジニアを目指そうと思っている方は、プラスアルファのスキルを身に着けたり、自分の経験を活かしたりできるよう、併せて考えてみてくださいね。